茨の繭

読書メモ兼日記帳。書評らしきものを書いてはいるが中身は何も理解していない

雑記、ソクラテス

最近講義の関係でソクラテスに取り組んでいる。いままでソクラテス著作(書いたのはプラトンだが)にはなんとはなしに偏見があって全然読んでなかったのだが、いざ読んでみると案外面白かった。
頭が痛くなってくるような混み入った論理で理論を構築してくる哲学書は結構多いがソクラテスにはそういったところもなくスラスラ読める。
『クリトン』あたりは全然哲学に興味ないし読むの嫌だという人間でも面白く読める人間が多いんじゃないだろうか。ページ数自体短編小説ほどの長さしかないうえ、無実の罪によって投獄され死刑にされようとしているソクラテスのもとに親友のクリトンが現れ彼の脱獄を手助けしようとするが、ソクラテスはそれを正義にかなわない行為だとして頑なにはねつける。というストーリーだけでも結構泣ける。
友情からソクラテスに逃げることを願うクリトンと、その気持ちに感謝しつつも、たとえ自分が不当な裁きによって命を奪われるとしても正義にもとる行いをしてはならないと、決然と死を受け入れあくまで正義に殉じようとするソクラテスの態度にはなかなか感じ入るものがある
ソクラテスほどには成れないにしろ、こういう潔さはちょっと見習いたい。
でもウダウダと日常を過ごしている僕が潔さを実践するとしたらいますぐ自分の人生にケリをつけるという形になると思われるのでやっぱり見習うのは無理そうである。